中古マンションのチェックリスト
このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
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こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

カルタ

「この中古マンションなんて、いいんじゃない?」

「でも、佐藤さんのとこ、買ったあとで雨漏りに気づいて、大変だったらしいよ?ちゃんとチェックしないと・・・」


夫婦 悩み

価格が魅力の中古マンション。

でも、買ったあとで欠陥に気づいて、結局高くついてしまった・・・というのも、よくある話。

せっかくのマイホームですから、そんな後悔したくありませんよね?


実際、中古マンションは注意点の宝庫といえるもの!


管理規約でエアコンをつけちゃダメって言われた!
引っ越したとたんに修繕費を60万円請求されたんだけど!?
湯量が少なくて、満足にシャワーも使えない!
悩む女性

このような問題が起こりかねません。


そこで今回お届けするのが、”プロ目線で教える中古マンション22のチェックリスト”

中古マンションを買うときに見てほしい注意点をそれぞれ解説していきます。

それでは、まいりましょう!


中古マンションの探し方はこちらをご参考に!
≫≫これで見つかる中古マンション!4日以内が勝負の超効果的な探し方

中古マンションを内観するときのチェックリスト

まずは、実際に中古マンション見にいったときに、どのようなところに注意したら良いかチェックしていきましょう!

①水回り

水回り

水回りは実際に水を流してみて、水の出が極端に少なくなっていないかチェックしましょう。

水の出が悪い場合、その原因が止水栓の閉めすぎなら、開けばOK。
注意が必要なのは、築年数20年以上のマンションです。。
昔は給水管が鉄製のことが多かったので、給水管の内部が錆びで目詰まりを起こしている可能性があります。

給水管を新しいものに取り替えた場合、費用は5万円程度かかります。

②床

フローリング

床に目立った凹みきしみがないか、床鳴りがしないかを確認します。

内観の際には、スリッパを用意してもらえるかと思いますが、素足で歩いた方が違和感に気付きやすくなるのでオススメ。

床鳴りがひどいときは特に注意が必要で、階下に響くことだってあります。
その場合、床の張替えだけ済めば8畳あたり10万円〜15万円で補修できますが、下地からの補修が必要になってくると、さらに倍以上の費用がかかります(構造や部屋によってかわる)。

③エアコン

中古マンションによっては、天井などにビルトインエアコンが設置されているケースもあります。

でも、エアコンは年々性能が高くなっています。
もし新しい壁付けエアコンに変更する予定があるなら、室外への貫通穴の有無はチェックしておきましょう。

というのもマンションの場合、管理規約で貫通穴を開けさせてくれない場合もあるから。

外壁は共用部分にあたり、壁内部の鉄筋や電気の配線を傷つける可能性があるので禁止されていることがあります。

④扉・窓

扉や窓は、開け閉めがスムーズにできるか確認します。

1〜2箇所程度ひっかかりがあるようなら、単に建付けが悪いだけで軽微な補修で済むかもしれません。
ただ全てにひっかかりがあるようなら、建物全体が傾いている可能性もあります。

⑤ブレーカー

ブレーカー

分電盤端の大きなブレーカーを見て、A(アンペア)をチェックしましょう。

アンペアが大きいほど、同時に使える電化製品が多いことになります。
最低でも30A。エアコンを2台同時につける場合は40A欲しいところですが、マンション全体で使用電力量が決まっていることもあります。

アンペアが少ないときは、変更が可能か管理組合へ確認するようにしてください。

また、分岐回路数(小さなブレーカーの数)も確認しておきましょう。

築年数の古いマンションでは、回路数が不十分なことがあります。
回路数の多い分電盤に交換する場合、部品と工事費を含めて10万円程度の費用がかかります。

⑥ガス

ガスコンロ

ガスは閉栓されていることが多いので、コンロの火がつくかどうかは確認できないと思います。

分かりそうなら、既設のコンロの製造年だけ確認しておきましょう。

ガスコンロは2008年に安全基準が見直され、それ以前に作られたものは販売できません。
リサイクルショップでも引き取ってもらえないので、使わない場合は、粗大ゴミとして捨てることになります。

コンロを入れ替えると、約10万円の費用がかかります。

⑦内壁

内壁では、壁紙に黒ずんだシミがないかをチェックしましょう。
もしシミがあった場合、そのほとんどはカビが原因です。

壁紙のカビ出典:https://www.decadesdecades.com/nijihigai

古い中古マンションでは断熱性が低いため結露が起きやすく、壁紙表面にカビが生えて汚れていることがよくあります。

それだけなら壁紙を張り替えれば良い話ですが、壁紙の裏側から染み出したようなシミなら要注意!

外壁のヒビから雨漏りが発生している可能性があり、その場合は内壁をはずしてチェックしなければいけないので、リフォーム費用が高くなります。

⑧給湯器

給湯機出典:https://mitsumori.ne.jp/gas/column/erabikata/

給湯器には20号や24号など号数があって、この数字が大きくなるほどパワフルにお湯がでます。
冬場、家族がお風呂に入っているうちに、キッチンでも食器を洗うなど、2カ所同時にお湯を使うなら20号以上は必要。

号数は給湯器本体の型番を見ればわかるので確認しておきましょう。

「RUX-A2015W-E-13A」→20号
「RUX-A1615W-E-LPG」→16号

また、そもそも給湯器がマンション購入後にもキチンと使えるかどうか、しっかり売主に確認が必要です。

給湯器の寿命はだいたい10年くらいで、買い換えると工事費も含めて20万円前後は通常かかります。

⑨耐震性

中古マンションの耐震性を調べるには、専門的な耐震診断をする他なく、費用も高額になるので現実的ではありません。

ただ、昭和56年に新耐震基準が制定され、それ以後に建てられたマンションなら、生命を脅かすほどの倒壊は可能性として低くなります。

具体的には築年数ではなく、建築確認申請の時期を見ます。

旧新の耐震基準が切り替わったのは昭和56年6月1日なので、それ以前に建築確認申請がだされていれば、昭和57年築でも旧基準で建てられたマンションであることがあります。

とはいえ、旧基準のマンションでも耐震補強を行い、十分な強度であることもあります。

⑩ゴミ置き場

ゴミ置場

ゴミ置き場は、そのマンションで暮らす他の居住者のマナーの良し悪しが色濃くでます。
出してはいけないゴミが袋に入れて捨ててあったり、曜日違いのゴミが散乱していないかチェックしましょう。

そこにどんな人が住んでいるか把握してから購入を決められるのは、中古マンションだからこそ。
そのメリットを活かすチャンスです。

⑪自転車置き場

自転車置き場もゴミ置き場と同じく、居住者のマナーの良し悪しがわかりやすいところ。
自転車が整然と並べられているかをチェックしておきましょう。

また、パンクして、サビだらけで、もう長らく使われていなさそうな自転車が放置されているなら、管理会社の管理が行き届いていないのかもしれません。

⑫掲示板

マンションのエントランスにある掲示板には、管理組合で抱えている諸所の問題が読み取れます。

騒音に関する苦情が寄せられているかもしれません。
修繕費や管理費の滞納が問題になっているかもしれません。

管理組合の議事録から、どんなことが議論されているのかは、しっかりチェックしておきましょう。

⑬外壁

 

中古マンションの外壁では、目立ったひび割れタイルの剥がれがないかを確認します。

特に、ひび割れの周辺に白いシミのような汚れがないか注意深く見てください。
白華現象といい、これがあると内部で雨漏りが発生している可能性が高くなります。

白華現象出典:http://www.doctor-sumai.com/bbp01.php?itemid=280

室内に水分が侵入し、カビが生える原因にもなります。

⑭集合ポストや植栽

集合ポストに投函されらチラシが溢れて放置されていないか、植栽が伸びきったままになっていないかを確認します。

もしそのような状況なら、管理会社の管理が行き届いていないのかもしれません。

修繕積立金と管理費のチェックリスト

中古マンションは購入してからがスタート。
続いては、ランニングコストとしての修繕積立金と管理費のチェックリストです!

⑮修繕積立金の増額予定があるか

マンションとお金

修繕積立金には、次の2種類があります。

◆均等積立方式
必要な額を均等に割って積み立てる方式。毎月の積立金は抑えられるが、大規模修繕の際には一時金が発生する。

◆段階増額積立方式
当初の積立額を低く抑えて、数年ごとに段階的に増額していく方式。



多くの場合、段階増額積立方式が採用されているので、今後どのように積立額が上がっていくかは超重要なポイント!


修繕積立金の増額予定は、不動産屋に「重要事項調査報告書」という書類を請求すると記載されています。
購入前に必ずチェックしておきましょう。

⑯次回の大規模修繕はいつするか

マンションは12年を周期に大規模修繕を行うケースが多いです。


修繕積立金が均等積立方式の場合、大規模修繕の直前に中古マンションを購入すると「引越したとたんに60万円の修繕一時金を請求された…」ということになりかねません。


なので大規模修繕がいつ行われるかをチェックして、直近であるようなら、一時金分の値引きを売主に交渉する余地があります。


大規模修繕の時期も「重要事項調査報告書」に記載があるのでチェックしておきましょう!

⑰管理費の値上がりはないか

掃除をする女性

エントランスを掃除したり、階段の電球が切れたら交換したり、押し売り営業を追い返したり、住人の快適な暮らしを守るのが管理会社の仕事。

そこに支払う管理費は1戸ごとに割りふられ、住人が均等に負担します。

基本的に管理費は、あまり動くことがないですが、何度も値上がりしているマンションなら注意が必要!

ひょっとすると次のようなことが原因かもしれません。

  • 管理費を滞納している住人が多い
  • 空室が多くて、1戸あたりの負担が大きい

つまり、管理組合の運営がうまくいっていないということ。

管理費の滞納額や増額予定も「重要事項調査報告書」に記載があります。

ここも、要チェックですね!

リフォームをしたいときのチェックリスト

中古マンションを購入後、自分好みにリフォームしたい!
そう考えている人も、マンションのリフォームには様々な制約があって、希望通りにいかないことがあるので注意が必要です。

マンション内観

それでは、リフォームを考えているときのチェックポイントをみてみましょう!

⑱ラーメン構造か壁式構造か

そのマンションの構造がラーメン構造か壁式構造かで、リフォームの自由度は大きく変わってきます。

◆ラーメン構造
梁や柱で建物を支えるもので、壁を抜くことができ、2つの部屋をつなげて1つの大部屋にしたりと、大胆なリフォームも可能

◆壁式構造
面で建物を支えるので、壁を抜くことができずリフォームには制限がある

ラーメン構造と壁式構造出典:https://blogs.yahoo.co.jp/suginaminouen/29380777.html



仕切り壁を軽くノックすれば、どちらの構造かすぐわかります。

「コンコン」と音が響けば抜ける壁なのでラーメン構造。「コツコツ」と音が響かなければ抜けない壁なので壁式構造ですね。

また5階建以下の低層マンションでは、壁式構造の方が多くなります。

⑲床は「二重床」か「直床」か

中古マンションを買ってリフォームするなら、床が「直床」なのか、それとも「二重床」なのかは、重要なポイントです。

◆二重床
躯体となるコンクリート(スラブ)に支持ボルトを均等に配置して、その上に床材を敷くことでスラブと床材の間に空間ができる。床材の下に配管を通せるので、キッチンや洗面所など水回りの配置を変えるリフォームも可能

◆直床
スラブの上に直接床材を敷いたもの。水回りの移動は基本的に難しい

二重床と直床出典:https://www.athome.co.jp/mansion/shinchiku/117327/detail/



マンションの洗面所だけ1段高くなっている場合は、そこだけ二重床で、あとは直床となっている場合が多いです。

より確実に調べるなら、マンションの「矩計図(かなばかりず)」を見ればわかります。
管理組合が持っているので、不動産会社を通じて依頼しましょう。

⑳PS(パイプスペース)の位置

独立型キッチンを対面キッチンにしたい!
窓のある位置にお風呂を移動させたい!


そんな水回りの移動をともなうリフォームを考えているなら、排水管にも気を配らないといけません。

キッチン

物件の間取り図に「PS(パイプスペース)」と書いているのを見たことはないですか?
これは、縦に各階の部屋を貫通する排水の通り道で、水回りからの排水は床下を通って、このPSに向かいます。


排水がスムーズに流れるよう、PSまでの排水管には緩やかな傾斜をつけますが、水回りを移動させて距離がでてしまうと、排水管を納めるのため床を上げる必要があります。


基本的に、PSから離れた位置に水回りを移動させるのは難しいと思っておきましょう。

㉑リフォームにかかりそうな費用

中古マンションを買ってリフォームするなら、その費用も把握しておきましょう。
概算では次のようになります。

リフォーム箇所 費用
システムキッチンの交換 50万円
浴槽の交換 20万円
ユニットバスの交換 100万円
便器の交換 5万円
洗面台の交換 10万円
壁紙クロスの張替え
(80㎡として)
35万円
床の張替え(8畳) 15万円

またリフォームの費用は、一般的に住宅ローンの対象になりません

なので、リフォーム部分は自己資金で払うか、もしくは住宅ローンより金利の高いリフォームローンを別個に借りることになります。

ただイオン銀行など、リフォーム部分も住宅ローンで扱える銀行も一部あります。

詳しくは、5銀行比較!中古住宅のリフォーム費用は住宅ローンで借りられる!?をご参考に!

㉒中古マンション価格のチェックリスト

提示されたマンションの価格が、はたして予算にあったものなのか…
それをを測るのに、収益性から価格アプローチをする方法があります。


収入と支出


これは、仮にマンションを賃貸にだしたとき、賃料が毎月の支払いを上回ることが出来るかどうかで判断するもの。
具体的には、次のような計算をします。

年間の総支払額÷12 > 周辺家賃相場×0.9


※「年間の総支払額」は、住宅ローンの返済額+修繕積立金+管理費+固定資産税+都市計画税。不動産会社に計算してもらいましょう。
※「周辺家賃相場×0.9」は、空室を考慮。



周辺の家賃相場を調べるなら、ホームズのHPが便利。
築年数、広さなど条件を設定して、詳しい価格がわかります。

家賃相場

まとめ

いかがでしたか?
このように中古マンションには新規分譲マンションと違う数多くの注意点があります。

ただ同じマンションに暮らしているのはどんな人たちなのか、管理は行き届いているのかなど、新規分譲ではわからないことも、あらかじめチェックできるのは中古マンションの大きなメリット。

今回お届けしたチェックリストをもとに、あなたの理想のマンションを見つけてくださいね!

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