男性1(うーん)

両親の持っている土地に家を建てたいと思ってるんだけど、土地は買い取るべき?それとも借りるべき?
税金のこととか色々心配です…。

こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

親の土地に家を建てる際、注意しなければいけないのは税金、そして兄弟姉妹との関係
あまく見ていると、とんでもない税金が課せられたり、兄弟姉妹との関係に大きな溝ができたりします。

親の土地に家を建てるなら、次の2点はしっかり考えておくべきです。

1.土地を利用する権利を何にするのか
2.兄弟姉妹間のトラブルをどう回避するか

それぞれ解説していきますね!

土地を利用する権利を何にするのか

まず初めに、土地を利用する権利を何にするか決めます。
土地を利用する権利とは「所有権」とか「賃借権」のこと。

親の土地に家を建てる際、利用される権利は次の3つです。

① 親に土地を贈与してもらう、または売ってもらう(所有権
② 親に土地を賃料を払って貸してもらう(賃借権
③ 親の土地をタダで堂々と使う(使用貸借

これだけ聞くと、③とか問題ありそうですが、実は一番オススメの方法だったりします。
それぞれの違いを見てみましょう!

①親に土地を贈与してもらう、または売ってもらう(所有権)

親から土地を贈与してもらう、または売ってもらうことで、子はその土地の「所有権」を手に入れます。

土地の所有者ですので、その土地をどう使うも子の自由!
家を建てようが、担保に提供しようが何の問題もなくできます。

ただし注意すべき点もあるので、次の3つの事項はよく確認しておきましょう。

そもそも家が建てられる土地なのか確認する

日本の土地は、「市街化区域」と「市街化調整区域」にわかれます。
もし親の土地が市街化調整区域内にあるのであれば、そこは市街化を抑制すると指定された区域なので、基本的に家は建てられません

親の土地がこの区域に該当するか否かは、役所の「都市計画課」に行けば調べることができます。

市街化調整区域で家を建てるには、都道府県知事に開発許可申請をだすことで出来なくもないですが、申請のハードルは高いです。

開発許可がおりても、住宅ローンが認可されない可能性があるので、銀行にも事前に相談しておいた方が良いでしょう。

分筆、合筆は必要?登記記録と公図を確認しておく

次に確認しておきたいのは、親の土地の筆の別れ方
土地登記においては、ひとつの土地を表す単位を「筆(ふで)」と言います。
土地によっては、ひとつに見える土地でも、実は何筆にも別れた土地の集合体であることがあります。

合筆

数筆に分かれた土地を手に入れても、住宅ローンを借りた際の担保設定が難しくなったり、登記費用が高くなる可能性もあるので、「合筆(がっぴつ)」という土地をまとめる手続きをした方が良いケースがあります。

分筆

逆に親の実家が建っている土地の空きスペースを譲り受けるケースでは、そこが一筆の大きな土地であれば、「分筆(ぶんぴつ)」という土地を分ける手続きをした上で譲り受けることになります。

分筆する際は、親と子の土地両方が道路に2メートル以上接していなければ、建築法上の問題で家は建てられませんので、この時点でハウスメーカーや工務店に相談しておいた方が無難です。

敷地の境界

また先祖代々の土地などでは、隣家との境界がよくわからないケースが多々あります。
分筆や合筆をする際には、最寄りの土地家屋調査士に依頼し、隣家との境界もはっきりさせておきましょう。
これをしておかなければ、建築図面が書けません。

境界を確定する際には、土地家屋調査士があなたと隣家の住人の間にはいり、立ち合いのもとで「ここが境界でいいですか?」と同意をとっていきます。
そして下の写真のような境界杭を設置したり、特殊な塗料でマークをつけていきます。

出典:サイトワン

古い担保権

筆の別れ方は、法務局で「公図」というものを見れば確認できます。
その際に土地の「登記事項証明書」も取得しておきましょう。

今は借金がなくとも、昔の抵当権(担保権)が抹消されないまま残ってしまっていることもあります。
これが残っていると、住宅ローンが借りられません。
登記事項証明書には誰が抵当権者なのか記載があります。
抵当権者である銀行等がわかったら、抹消登記用の書類が欲しいと問合せしましょう。

ワンポイント・アドバイス
そもそも家が建てられる土地かを調べる敷地法令調査や、登記事項証明書を取得して、筆の別れ方や権利関係を調べるのは、ハウスメーカーに任せてしまうのが一番てっとり早い方法です。

ハウスメーカーは、家を建ててナンボの商売です。だから、すでに建築用地がある場合、敷地調査は必ずします。
家が建てられない土地をもとに提案をしても、時間の無駄になってしまうからです。
登記事項証明書は誰でも取得できますし、ほとんどのケースで費用はハウスメーカー持ちでやってくれるはずです。
労なくして勝手に調べてくれるので利用すべきは利用しましょう!

現時点で、どのハウスメーカーにするか決めていないのであれば、次のタウンライフというサイトで一括資料請求するのがオススメです。
インターネットで複数社に同時に資料請求できるサービスで、利用は無料です。
資料請求する際に、「敷地法令調査も希望されますか」という項目がありますので、「はい」にチェックして依頼を完了してください。


あとはハウスメーカーにお任せできるので簡単でかつ自分で調べるよりも確実です。
コチラから依頼できます。

↓↓↓
注意すべき贈与税の問題

贈与税は受贈者(贈与を受けた子)が何らかの経済的利益を受けた時に課税されるもの。

土地を贈与した場合はもちろん、土地を実勢相場より明らかに安い価格で買い取った場合も、そこに経済的利益ありとされ贈与税が課税されます。

土地の贈与税は、土地の「相続税路線価」を基礎にして課税されます。
(場所によっては倍率方式というものが適用されますが、宅地はほとんど相続税路線価)

相続税路線価はコチラのページで確認できますので、一度計算してみてください。
財産評価基準書路線価図・評価倍率表

土地に接する道路には、ひとつひとつ価額が設定されています。この価額に土地の面積を掛けると、その土地の評価額が算出できます。

たとえば次のような場合だと…

200C」と書いてありますが、これはその道路の価額が200千円であるということ。
なのでこの道路に接する土地の評価額は、

200千円×150㎡=3000万円ということになります。

では、この土地を贈与した場合の贈与税額をシミュレーションしてみましょう。

贈与税には、基礎控除というものがあり、毎年110万円までは贈与を受けても贈与税は課税されません

なので、3000万円すべてに贈与税が課税されるわけではなく、
3000万円―110万円=2890万円に対して贈与税が課税されます。

下の贈与税率表にこの2890万円をあてはめます。

国税庁HPより

2890万円×45%―265万円=1035万5千円
…バカみたいな贈与税がかかってしまいますね。

 

相続時精算課税制度」というものを活用する方法もあります。

相続時精算課税制度とは、「贈与した時は贈与税をかけないけど、相続時には相続税を払ってもらうよ」というものです。

土地の所有権は親から子に移りますが、親が亡くなったときの相続税計算の基礎に、その土地の財産評価額を含めることになります。

相続財産が多いなら、生前に普通に贈与して贈与税を支払った方が良いケースもあるので、専門家にシミュレーションしてもらい、慎重に検討しましょう。

②親に土地を賃料を払って貸してもらう(賃借権)

2つ目は、親と子で土地の賃貸借契約を結ぶ方法です。
子は親に土地の使用対価として権利金地代を支払うことになります。

ただこの方法は、面倒なわりに使うメリットがほとんどありません

注意点だけあげておくと、地代の額をしっかりと設定しなければ、その額によって贈与税や相続税が予想外に大きくなることがあるということです。

なんにしても、この方法を使うのであれば、よほど詳しく将来の贈与税・相続税のシミュレーションをしてからの方が良いでしょう。

 

③親の土地をタダで堂々と使う(使用貸借)

3つ目は、親の土地をタダで堂々と使うことです。
難しいことは考えない!お金のやりとりは一切なし!というものですが、ハチャメチャなようでいて、実はこれが一番オススメの方法です。

この方法を土地の「使用貸借」といいます。
使用貸借とは、「借りるけど、ちゃんと後で返すね」という約束をして、その「モノ」の引渡しを受けることで成立する契約をいいます。

契約は口頭で約束するだけでOK。地代も不要です。
法的には、相当期間が過ぎると貸した人から一方的に「返せ」と請求できるのですが、相手が親ならその心配もいりません。

では使用貸借の注意点をあげておきます。

相続税の軽減効果はまったくない

土地は人に貸すと、利用が制限された土地として評価額が引き下げられます。
それが相続税の軽減効果になるわけですが、使用貸借についてはその効果がまったくありません。

親の土地をタダで借りる使用貸借の場合、所有権は子供に移っていませんし、賃借権の評価額はゼロとみなされます。
だからそのまま親の自用地として評価されることになります。

固定資産税は誰がはらうのか

使用貸借の場合は、子供が土地を使っていたとしても、これまで通り土地は親のものとして固定資産税は親が支払うことになります。

それでは申し訳ないからと、固定資産税程度の額を子が負担したとしても、子から親への贈与とはみなされません。
「請求は親にくるけど、支払うのは子」でも問題はありません。

兄弟姉妹がいる場合に相続争いの火種になりかねない

兄弟姉妹がいる場合は特に注意が必要です。

土地は依然として親のものであって、家を建てたあなたの土地ではありません。

親の相続が発生した場合は、その土地は等しく兄弟姉妹で分け合うべき財産となります。

そういった理由から、遺言書の準備遺産分割の方法については、よくよく考えておく必要があります。

土地などの不動産は現金と違って、分けることが難しい…
だからこそ相続人間で争いの火種となりやすいのです。

次で詳しく解説しますね!

兄弟姉妹間のトラブルをどう回避するか

兄弟姉妹間のトラブルを回避する施策はしっかりとっておきましょう。

どのような施策をとればよいのか、具体的な例をあげて解説していきます。

ここからわかりやすいように、子供は「兄」と「妹」の2人で、兄が親から土地を取得し、マイホームを建てたものとして話を進めます。

 事例① 親から土地の贈与を受けて家を建てた場合

親から土地の贈与を受けた場合、その土地は兄の「特別受益」財産として、分割すべき相続財産の中にくみこまれます。
そして兄はすでに財産をもらったものとして扱われます。

妹に「お兄ちゃんはもう土地をもらったでしょ!?残りの財産はわたしのものよ!」と言われてしまったら対抗できません。

別にそれでもいいよ。と思うかもしれませんが、将来何があるか…

例えば、親に介護が必要となりました。
兄夫婦が親の面倒をみて、妹夫婦は遠く県外に暮らしていたとします。
介護は心身ともに疲れますよね?

相続発生後に妹がさきのような態度をとったとき、兄が納得しても、兄嫁は怒り心頭です。
「あなたは何もしてないで、よくそんな事が言えるわね!」と言い返します。
かくして激しい相続争いが勃発するわけです。

そんな事態を回避するために、親には「遺言書」を書いてもらっておきましょう。
贈与した土地以外の財産は、兄妹間で争いが起きないように、双方が納得できる分け方をしっかり検討すべきです。

事例② 親の土地をタダで借りて家を建てた場合

使用貸借の場合、土地は依然として親のものであって、子のものではありません。
なので相続発生時には、兄が借りた土地も、妹と分け合うべき相続財産になります。

他に財産があるのであれば、そこまで問題とならないでしょう。
問題があるのは、その土地が相続財産の大半を占めていたときです。

 

詳しく掘り下げてシミュレーションしてみましょう。

<前提>
兄が使用貸借よって親から土地を借りた。
そこに「親と同居の二世帯住宅」を建築した。
<親の相続財産>
土地の相続税評価額:3000万円
その他の預貯金等:800万円
<相続人>
兄と妹のふたりのみ
<遺言書>
親は生前、土地を兄に、残りの財産を妹に相続させる旨の遺言書を遺していた。

さて上記の内容であったとき、親の相続が発生しました。

兄と妹それぞれの相続分は1/2ずつで
(3000万円+800万円)×1/2=1900万円になります。

ここで兄は当然、今まで住んでいた家に住み続けるため、土地は自分が相続すると主張します。
遺言書もその内容で書いてあるので問題ないはずです。

遺言書どおりに兄が土地3000万円を全て相続し、妹が現預金800万円を相続しようとしたのですが、妹がこんなことを言い出しました。

「お兄ちゃんばっかりズルイ!私の遺留分を侵害している!」

「遺留分」とは、各相続人に認められる遺産を受ける最低限度額のこと。

妹の遺留分は法定相続分の1/2です。ということは…
1900万円×1/2=950万円

 

さあ、遺産の800万円の現預金では足りません。

これを解決する方法としては「代償分割」という方法をとるのが一般的です。

代償分割とは、特定の相続人に受け取る相続財産を集中させ、その者が他の相続人に対して債務を負担することです。
不動産など現物の分割が困難なときに使われる手法です。

でも今回の場合、兄に800万円の現金を相続させても、妹の主張する遺留分に足りません。

そこで親には「死亡保険」に加入してもらいます。
親が自分に保険をかけ受取人をにしておきます。

兄が受け取った死亡保険金は、相続税は課税されるのですが、兄固有の財産として遺産分割の対象になりません

例えば親の現預金800万円全額を使って死亡保険に加入したとします。
相続発生後に兄がその死亡保険金を受け取った場合、保険金は遺産分割の対象にならないので、相続財産は土地3000万円が全てになります

ということは、兄と妹の相続分は、

3000万円×1/2=1500万円

妹の遺留分はというと…

1500万円×1/2=750万円

妹の遺留分が200万円圧縮されました。

これで兄は「土地は俺がもらうが、その代わり妹には、この金をやろう」と750万円を渡し、妹の遺留分を満足させることができます。

まとめ

親の土地に家を建てる場合には、

1.土地を利用する権利を何にするのか
2.兄弟姉妹間のトラブルをどう回避するか

この2点をしっかり検討しましょう。

今だけでなく、相続発生時のことを考慮するのがポイントです。
よく、ウチは相続税が発生するほどの財産はないから大丈夫!という台詞を耳にしますが、実際に相続でもめた際の調停軒数は、相続税がかからない世帯が7割程度だそうです。

あまく考えてると大変なことになりかねませんよ!



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