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こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

ハウスメーカーや工務店によって、様々な構造体、工法があります。
今回は「木造軸組工法」をピックアップして、その特徴やメリット・デメリットをまとめていきますね!

木造軸組工法とはどんな仕組み?

「木造軸組工法」とは「在来工法」とも呼ばれる工法で、日本に古来より伝わる伝統的な技術です。
柱(縦の構造材)に梁(横の構造材)をのせて組まれることから木造軸組工法といいます。

素材としての木

日本に古来より伝わるだけあって、「木」という素材は日本の風土にあった構造材であると言えます。

以下は総務省統計局の平成25年の統計ですが、日本の一戸建の約9割が木造住宅となっています。

木を構造材として使うなら、切ってそのままというわけにはいきません。

木は水を含んでいて、乾燥や吸湿によって膨張したり、伸縮したりします。
木の含む水分量を「含水率(がんすいりつ)」というんですが、日本ではこの含水率が15%程度であれば構造材として適していると言われています。

十分に乾燥していないと、木が割れたり、そりが出てきたりするので、寸法がくるって家の強度にも影響してしまいます。

最近では、木造住宅の構造材として「無垢材」より「集成材」の方が多くなっています。

出典元:住友林業株式会社

集成材とは、板状の木材(ラミナ)を貼りあわせて一本の構造材とするもので、ラミナとラミナは専用の接着剤で接合します。

無垢材はどうしても中心と外側の含水率に差がでてしまいやすいですが、集成材であればそれが解決できるため、構造材として寸法くるいが起きにくい特徴があります。

構造材として使われる木にも様々ありますが、やはり一番人気なのは「ヒノキ」。
強く、香りも良く、色あいも良いことから古くから愛されてきました。

その他、杉やヒバなどがありますが、外材としてホワイトウッドなどもよく使われます。

木造軸組工法の耐震性

 

木造軸組工法の柱と梁の接合部は、木材の先端に「ほぞ」と呼ばれる突起をつくり、もう一方に木材に設けた穴に組み合わせていきます。
昔は接合はこれだけだったんですが、地震の影響でこの接合部分がはずれてしまい、家が倒壊してしまう危険性がありました。
そこで現在では、この「ほぞ」に加えて、接合部はボルトや金物を併用して強度を高めており、耐震性は飛躍的に向上しています。

阪神・淡路大震災などで「木造住宅が多く倒壊した」とのメディア報道があって「木造住宅は地震に弱い」とのイメージが広まった時期がありました。

今でもそのイメージを持っている方もいますが、崩壊したのは築年数の古い木造住宅です。
木造軸組工法でも今は品確法に掲げる耐震性も十分クリアでき、その点について他の工法と見劣りしません。

 

そもそも、日本における住宅の9割が木造住宅です。
母数がまったく違うわけですから、地震による倒壊数が多くなってしまっても、データとして当然といえば当然なんですけどね…。

 

縦と横に組んだ構造材だけでは横からの力に対抗できないので、壁となる部分には筋かい(斜めの構造材)と呼ばれる構造材を、床の四隅には火打ち梁(これも斜めの構造材)各所にいれて強度を保ちます。

 

出典元:タイムス住宅新聞ウェブマガジン

 

柱の太さによっても強度はかわってきます。
柱の太さは一般的なもので105mm。ただし(ハウスメーカーや工務店によって制限はありますが)要望によって120mmにすることも可能です。

105mmでも十分な強度が保てるなら、特段心配することはないと思いますが、より耐震性を補強したいと考えるならば、ひとつの手段にはなります。

耐震性でいうと、家の重量も大きな要素。
家が軽いほど地震の影響も軽減されます。
ただしこれまで説明したように、最近の木造軸組工法は各所に補強部材をいれていますので、昔と比べて重量はましています。
「軽いから大丈夫」との認識をもつよりも、どれほどの補強を行っているかを重視した方が良いでしょう。

 

同じ木造軸組工法であっても、ハウスメーカーや工務店によって耐震性への取組はまったく違います。
先ほどの接合部の強度や筋かいの量、柱の太さなど、複数社を比較して確認しておいた方が安心です。
なにごとも比較ですね!

木造軸組工法は火に弱い?

 

出典元:住友林業株式会社

「木造住宅は燃えますよ」なんて台詞で、競合他社を蹴落とそうとする営業マンはよくいます。
…が、ハッキリ言って、木でなくても燃えるときは燃えます。

これは他の工法にも言えることですが、火災時に重要なのは「逃げる時間の確保」です。
その点でいくと木造軸組工法の場合、木材の芯まで火がなかなか届きません。
なので火災時に家の強度が落ちるまで時間がかかりますので、逃げる時間の確保の点でいくと有利になります。

ただ耐火性を構造体・工法で比較する意味はあまりないと思っていて、感知器や消火器の設置、もっというならスプリンクラーなどで火災に対応する方が、よほど効果的です。
もう一度言いますが、木であろうが鉄であろうが燃えるときは燃えますので。

木造軸組工法のシロアリ被害

住宅の天敵、シロアリ。
構造体である柱や梁を食い荒すやっかいな連中です。

日本に昔からいるのは、ヤマトシロアリとイエシロアリという土壌性シロアリ。
湿気を好み、土の中からあがってきて構造体である木材中に蟻道(ぎどう)とよばれるトンネルをつくります。

建築現場にいくと、1階部分で足元から1mくらいだけ柱の色が違うことがあります。
これは、防蟻処理を施しているから。
したから上がってくるシロアリを防いでいるわけです。

ただ外来種でアメリカカンザイシロアリというものも存在します。

 

このシロアリは乾燥シロアリの一種で、湿気のないところでも生息できます。
羽アリが飛来して家に侵入してくるので、先ほどの防蟻処理では防ぐことができません。

なので、シロアリ被害の保障をつけているハウスメーカーでも、アメリカカンザイシロアリについては保障対象外との説明をうけることもあります。

シロアリ対策としては、定期的な防蟻処理を行うしかないですが、ハッキリ言って「運」の要素も強いです。

ひとつ加えさせてもらうと、シロアリ被害が木造だからあるのではなく、鉄骨造やRC造でも被害を受ける可能性は十分ありえます。

木造軸組工法の設計自由度について

設計自由度が一番高いのが、この木造軸組工法です。
910モジュールを採用しているハウスメーカー・工務店が多く、例えば「廊下をちょっとだけ広げたい」とか「外壁にカーブをつけたい」とか、希望するなら細かい要望にも大抵の事は実現できます。

その分、費用はかかりますが…。

910モジュールについては、コチラで詳しく説明しています。
メーターモジュールと910モジュールはこんなに違う!

特に伝統的な真壁和室(柱を露出している和室)をつくりたいなら、この工法でのみ可能になります。

出典元:平成住宅日誌

趣のある和風住宅をご希望なら木造軸組工法が一番オススメですね。

付け加えて、設計自由度が高いため将来のリフォームが簡単であることも特徴的です。
工務店はほとんどがこの木造軸組工法を採用していますから、新築したときとリフォーム時の業者が違ったとしても対応可能であることは、ひとつの安心材料ですね。
建築図面は大事に保管しておきましょう。

木造軸組工法のデメリット

木造軸組工法の最大のデメリットは品質のバラツキです。
このは熟練の技を必要とする工法ですので、大工の腕しだいで良くも悪くもなります。

木造軸組工法で検討するなら、ハウスメーカー・工務店の実績をよく確認し、自ら建築現場に出向いて現場管理状況などもチェックしておいた方が良いでしょう。

コチラも参考にしてください。
5つの視点で比較!建てるならハウスメーカー・工務店・建築家?

木造軸組工法を採用するハウスメーカー

工務店では、そのほとんどが木造軸組工法を採用しています。
では、ハウスメーカーで木造軸組工法を採用しているところをいくつか列挙しますね!

住友林業 積水ハウス 大和ハウス
タマホーム 一条工務店 アキュラホーム
クレバリーホーム 東日本ハウス アエラホーム

などなど。

ひとつのハウスメーカーにも、商品別に工法を分けているところがあります。
例えば、積水ハウスはメインは鉄骨軸組工法ですが、「シャーウッド」については木造軸組工法を採用しています。

まとめ

木造軸組工法は木の素材としての風合い設計の自由度がウリです。
ただし熟練の技術を要する工法なので、品質にバラツキがあることがデメリット。

やはり重要なのは、ハウスメーカー・工務店ごとの比較検討です。



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