メーターモジュールと910モジュールの大きな差

住宅展示場なんかで営業マンの人から話を聞くと、よく「ウチはメーターモジュールなんで、良いですよ!」なんて言われます。
よくわからないんですが、メーターモジュールってどこがどう良いんですか?

こんにちは!元ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

「モジュール」というのは、家を設計するときの基準寸法のこと。
メーターモジュールは1mすなわち1000mmを基準とします。
この基準によって柱の間隔などが決まってくるんですが、1000mmというのは「長い基準」なので、廊下やトイレなど全てのスペースがちょっと広めになるんですね。

メーターモジュールとよく対比するのは910モジュール(尺モジュール)。

910mmを基準としますので、メーターモジュールと比べると確かに「短い基準」です。
ただし、それはあくまでも「基準の長短」が違うだけのハナシ。
910モジュールでは狭っくるしい家しかできないのかというと、決してそんなことはありません。

メーターモジュールと910モジュールのどっちが良いかは、かけられる費用、土地の広さ、間取りのとり方によって変わります。
大切なのは、両者の特徴をしっかり理解した上で選ぶこと!

これから言うことがわかっていれば、ハウスメーカーを選択する助けになると思うので参考にしてくださいね!

実際に使える広さは更に狭い。有効巾とは

メーターモジュールは廊下の広さが1000mmで、910モジュールは910mmなのかというと、そうではないです。
この1000mmとか910mmは、壁の中心(壁芯といいます)から中心までの距離を指します。

実際に使える幅を「有効巾」呼ぶんですが、有効巾は柱や壁の厚さの分、当然狭くなります。
柱や壁の厚さはハウスメーカーによって違いますが、有効巾は910モジュールでだいたい780mm、メーターモジュールならそれより90mm広い870mmくらい。
自由度の高いハウスメーカーなら、柱の太さを変えることもできるので、その場合はもっと有効巾は狭くなります。

設計の自由度では910モジュールに軍配があがる

メーターモジュールは、910モジュールよりも有効巾が90mm分広いわけですが、実際には910モジュールであっても自由に有効巾を広げられます。
例えば、廊下の有効巾が780mmだと狭いから455mm広げようとかですね!

ハウスメーカーでは、自由設計をウリにしているところは910モジュールを採用しているところが多いです。

メーターモジュールでは、全体的に広くならざるを得ないですが、910モジュールであれば「1階には高齢の両親が住むから1階のトイレだけ少し広くしよう」とか、「キッチンだけ少し広めにしたい」とか、部分的な自由がききます。

必要なところを必要なだけ広げて、自分や家族のライフスタイルにあった間取りを実現するなら、910モジュールに軍配があがります。

どこかを広くとると、そのしわ寄せが別のスペースにいくので、設計としてちょっと複雑になってしまいますが、これを「間くずれ」と言ってあまり好まない設計士もいます。

まぁ、そこは設計士の腕の見せ所…。

自由設計をうたいながらも、その自由度はハウスメーカーによってかなりの差がありますので、そのような対応が可能かどうか担当者に確認してみましょう。

ただし拒まれたとしても、それは技術的な問題ではなく、費用の面かもしれません。
基準外のことをすれば、材料のロスに繋がって費用が高くついてしまうことがあります。

ローコスト住宅はメーターモジュールを採用しているところが多い

規格化した材料を大量生産してコストダウンを図るのが、ハウスメーカーとしての本懐。
実は、ローコスト住宅の多くがメーターモジュールを採用しています。

これは910モジュールでの自由度の裏返しになりますが、「どうせ広げるなら最初から広げておいた方が材料費が安くつく」ということ。
基準外のことをして、材料にロスが生じないようにしているわけです。

特にメーターモジュールの特徴が表れるのは、廊下・階段・トイレ・お風呂です。
これらを最初から広くとろうと思っていて、メーターモジュールの間取りが気に入っているのであれば、910mmモジュールで細かく間取りをいじるよりも費用的にはメーターモジュールに軍配があがります。

まったく同じ間取りだと、当然メーターモジュールの方が高い

仮に、メーターモジュールのハウスメーカーと、910モジュールのハウスメーカーでまったく同じ間取りで見積もりを作ったとしましょう。
メーターモジュールの方が見積額は高くなります。
すべてにおいて広いんだから、あたりまえのおハナシですね!

910モジュールなら、
1単位910mm×910mm=0.8281㎡
メーターモジュールなら、
1単位1000mm×1000mm=1.00㎡

と、いうことは1.00㎡÷0.8281㎡=1.2076!
まったく同じ間取りなら家の面積は約1.2倍になるということです!
それに合わせて当然、建築費も高くなります。
間取りに並々ならぬこだわりがある人は注意してくださいね。

まとめ

もう一度言います!
メーターモジュールと910モジュールの特徴は…

910モジュールは自由度が高い
→でも間取りを複雑にするほど建築費は高くなる。

メーターモジュールは廊下やトイレが最初から広いから、間取りを細かくいじる必要がない。
→でも、全体的に広くなるから建築費は高くなる。

…ということなので、どっちが良くてどっちが悪いというわけではないです。

ただ土地形状が変型だったり、狭小住宅を建築するケースでは910モジュールの方が良いと思います。
家を建てるときには、建蔽率とか容積率とか北側斜線とか・・・とにかく建築基準法上の規制は多いんですが、910モジュールの方が微調整がしやすいので。